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『女騎手』

 私がショートショートの研究を始めたのは、12年前、某小説講座からの「ショートショートの講義をしてくれないか」という打診がきっかけでした。2時間の講義ということで、それくらいなら何とかなるだろうと気楽に引き受けたのですが、これが大きな間違い。1時間半ももたずに準備しておいたネタが尽き、質問タイムに逃げてしまいました。ショートショートは読むのも書くのも大好きですが、それだけでは講義はできないんですね。
「来年も」と要請され、少し悩みましたけれども、引き受けることにしました。このまま引き下がっては悔しいではありませんか。
 それで、同じ轍は踏むまいと、真剣にショートショートのことを考え始めたのです。昔読んだショートショート集を読み直し、読んでないショートショート集を読み、自分なりのショートショート作法をまとめ……。その甲斐あって、翌年は余裕で2時間の講義をもたせることができました。
 以降、いくつかの専門学校やカルチャーセンターで講師を務める経験を経て、現在に至っています。その間、多少なりとも添削指導をした生徒さんの数は500人を超えているかもしれません。すべての生徒さんと継続的に「先生と生徒」の関係にあるわけではなくて、ほとんどは「先生と元生徒」です。
 そんな元生徒の1人・蓮見恭子さんから、1冊の本が送られてきました。――『女騎手』角川書店(10)です。横溝正史ミステリ大賞の優秀賞受賞作とのこと。
 蓮見さんとは「先生と元生徒」の関係になって、4年近く経つのでしょうか。元生徒が作家デビューするだけでも嬉しいのに、私のことを忘れずにいて、こうして処女作を送ってくれると、嬉しさが倍化します。
 ということで、拙ブログを読んでいただいている皆様。
 私と蓮見さんが出会ったのも何かの縁。この記事を読んでいただいているのも何かの縁です。書店に行く機会がありましたら、ぜひともお手に取っていただきますよう。そして、興味を持たれましたらお買い上げいただくよう、お願いいたします。

 思い返せば、元生徒が処女作を送ってくれたのは、福田和代さんに続いて2人目です。福田さんは今や大活躍で、先日、新刊『ハイ・アラート』徳間書店(10)を上梓されました。元先生としては、嬉しくて仕方がありません。こちらもよろしくお願いいたします。

女騎手.jpg ハイ・アラート.jpg
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映画『インナーウォーズ』

インナーウォーズ.jpg 映画『インナーウォーズ』を観ました。ジャケットには大きく、“『ミクロの決死圏』から37年 再びミクロ化した人間が体験する人体内部の驚異の世界!”なんて惹句があります。『ミクロの決死圏』は大好きな映画でして、以前から気になっていたのです。
 観終わって――
 なんだ、『ミクロの決死圏』の二番煎じじゃん。
 という感想なんですが、それを期待していたのですから、大満足です。
 そこで思い出したのが『インナースペース』。――こちらは『ミクロの決死圏』を見事に換骨奪胎し、まるっきりテイストが違う作品に仕上がっていたような記憶があります。面白かったんですが、二番煎じ『インナーウォーズ』のほうが好きです(笑)。

『ミクロの決死圏』と言えば、アイザック・アシモフによるノベライズ『ミクロ潜航作戦』ハヤカワSFシリーズ(67)/『ミクロの決死圏』ハヤカワSF文庫(71)も面白かったですね。
 あ、はたと気づけば、アシモフのオリジナル続編『ミクロの決死圏2 ―目的地は脳―』早川書房(89)/ハヤカワ文庫SF(99。2分冊)は買っただけで読んでないです。ちょっぴり気になりますけれど、二段組のハードカバーで400ページ弱……。う~~~ん。
ミクロの決死圏(映画).jpg ミクロ潜航作戦.jpg ミクロの決死圏.jpg ミクロの決死圏2.jpg
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『塵もつもれば星となる』

「柴野拓美さんを偲ぶ会」実行委員会編『塵もつもれば星となる 追憶の柴野拓美』(10)を送っていただきました。さる9月18日、東京で行なわれた「柴野拓美さんを偲ぶ会―柴野学校卒業生同窓会」で配付された冊子です。
塵もつもれば星となる.jpg この会には、私もぜひ参加したいと思っていたのですが、それは叶わず……。近ければ、少しだけでも顔を出すことは可能でしたが、うちから会場までは片道4時間近くかかるのです。――遠すぎました。
 残念というよりも、柴野さんに申しわけない気持ちです。
 冊子には柴野さんと交流のあった方々からの追悼メッセージ、柴野さんの年譜・著作リストが収録されています。メッセージを読んでいると、柴野さんがどれだけSFとSFファンを愛していたのか、また愛されていたのか、ひしひしと伝わってきます。
 改めて――
 ご冥福をお祈りいたします。ありがとうございました!

 大熊さんへ。
 冊子には眉村卓さんのメッセージ「さようなら柴野さん」も掲載されています。内容は、「日本推理作家協会会報」3月号の再録です。
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『コント文學と創作法』

 武野藤介『コント文學と創作法』文藝情報社(41)を読みました。コント作家である著者のコントを巡る考察をまとめた本です。眩暈がするような情報の洪水で、目ぱちくり口あんぐり状態に陥っています。
 目次は――

 序
コント文學と創作法.jpg コント文學序論
 貧困なる短篇文學
 堤中納言物語
 西鶴の『萬の文反故』
 一問一答 コント講座
 諸家一家言集
 座右言二則
 「をち」の問題
 コント作家の手記
 解剖篇
 雑記帖
 附録 作品目録

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『小説哲学辞典』

「毎日新聞」 昭和51年4月19日(夕刊)のコラムです。

    現代版「悪魔の辞典」谷沢永一
 芥川龍之介が深く傾倒したアメリカの短編作家アンブローズ・ビアスは、人間性と現代文明を短剣一閃、辛らつに風刺する「悪魔の辞典」を残した。
 ―中略―
 現代の日本こそビアスの出現が必要と信じた版画家の木村晃郎が、四十六年から五年間に書きためた現代版「悪魔の辞典」八百五十七項目を『小説哲学辞典』全二巻に整理し、五百部でこのほど自費出版した。
 ―後略―

 こんなコラムを読んだら、気になりませんか? 少なくとも、私は非常に気になりました。前回の記事にも書きましたが、私はビアス『悪魔の辞典』が大好きなのです。
 自費出版ということですから、書店で買うわけにはいきません。さっそく毎日新聞社に著者の連絡先を尋ねました。今は個人情報保護法なんてものがありますので、そう簡単には教えてもらえませんが、当時はそういう意識は皆無でした。
 著者に連絡し、無事に『小説哲学辞典』『小説哲学辞典 日本編』私家版(75)を入手することができたのです。
 手間をかけて入手した甲斐がありましたね。ほんと、楽しく読んだことを思い出します。
小説哲学辞典.jpg 小説哲学辞典・日本編.jpg 獣神の辞典.jpg 続・獣神の辞典.jpg
 時は流れて……。
 ショートショートの資料を集めるために、10年ほど前から古本屋を回り始めたことは、もう何度も書いています。
 そんなある日、古本屋で木村晃郎『獣神の辞典』葦書房(78)という本を見かけ、手に取りました。
 あら、『小説哲学辞典』の改訂増補版ですか。「原本404項目が、600項目に増加」とあります。
 こんな本が出ていたなんて知りませんでした。値段は極めて安く、もちろん購入です。
『続・獣神の辞典』も出ていると知りましたが、縁がないままに何年も経過。正直なところ、ほとんど忘れていました。
 しかしまあ、タイミングというのは面白いですねえ。『悪魔の辞典』に想いを巡らせていて、ふと『続・獣神の辞典』のことを思い出し、何となくネット古書店検索をしてみたら――
 おや、リーズナブルな値段で売っているではありませんか。
 迷わず注文。本日、『続・獣神の辞典』葦書房(78)が届きました。
 こちらは『小説哲学辞典 日本編』の改訂増補版で、原本の453項目が550項目に増加とのことです。2冊合わせて1150項目。原本は857項目ですから、293項目増加したことになります。
 いやあ、嬉しいですね。興味のある人は少ないだろうなと思いつつも、嬉しさのあまり記事に書いてしまいました。
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『悪魔の辞典』

 筒井康隆『現代語裏辞典』、藤井青銅『TV・マスコミ「ことば」の真相』、畑田国男『悪魔のことわざ辞典』――最近、拙ブログで採り上げた本です。
 こんな本を続けざまに手に取りますと、アンブローズ・ビアス『悪魔の辞典』が気になってきます。
 今さら言うまでもないと思いますが、私は『悪魔の辞典』が大好きです。初めて読んだのは創土社版で、高校生のころだったでしょうか。いやあ、衝撃的でしたねえ。
『悪魔の辞典』には何種類もの訳本があり、見かけて気が向くと、何となく購入しています。
 ふと、『悪魔の辞典』の訳本はどれくらい出ているんだろう、と疑問を持ちました。
 さっそく調査です。

◎西川正身選訳『悪魔の辞典』岩波書店(64)
◎奥田俊介・倉本護・猪狩博訳『完訳 悪魔の辞典』創土社(72)
◎郡司利男訳『悪魔の辞典』こびあん書房(74)
◎郡司利男訳『続・悪魔の辞典』こびあん書房(77)
 以上2冊は未所有、現物未確認。書影は正・続の合本『正・続 全訳 悪魔の辞典』(82)です。曖昧な記憶ですが、共函に正・続の分冊がはいっている本を見たことがあるような気がします。う~~ん、よくわかりません。
◎奥田俊介・倉本護・猪狩博訳『悪魔の辞典』角川文庫(75)
岩波書店.jpg 創土社.jpg こびあん書房.jpg 角川文庫.jpg
◎奥田俊介・倉本護・猪狩博共訳『イラスト 悪魔の辞典』弓書房(80)
◎西川正身編訳『新編 悪魔の辞典』岩波書店(83)/岩波文庫(97)
 親本は未所有。書影は岩波文庫です。
◎奥田俊介訳『新撰・新訳 悪魔の辞典』講談社SOPHIA BOOKS(00)
◎筒井康隆訳『筒井版 悪魔の辞典〈完全補注〉』講談社(02)/講談社+α文庫(09)*2分冊
弓書房.jpg 岩波文庫.jpg 講談社.jpg 講談社(筒井版).jpg
 以上。たぶんこれですべてと思います。
 全バージョン収集を目指していたわけではありませんが、けっこう所有していますね。まあ、それだけ好きということです。
 なお、ビアスの短編集リストはこちらです。今回の調査で気がついたことがあり、【追記】を書きました。

新編悪魔の辞典.jpg【追記】9月26日
 古本屋へ行ったら、西川正身編訳『新編 悪魔の辞典』岩波書店(83)を売っていました。レアな本でありませんが、そうちょくちょく目にする本でもありません。
 う~~~~ん。この記事を書いたあと、初めて訪れた古本屋で売っているなんて……。これは古本の神様が「買いなさい」というメッセージを寄越されたのですね。――買いました。
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『ビミョ~な日本語』

 私は日本語が大好きです。日本語フェチと言ってもいいかもしれませんね。
 もちろん、いわゆる日本語本も大好き。面白そうな日本語本が目につくと、うほほ~いと買います。誤用や語源を扱ったものが多く、同じような内容と言えばその通りなんですが、それでも読んでいて楽しいです。それがフェチたる所以ですね(笑)。
 今日は、文章を書くのを仕事や趣味にしている方々に超お勧めの日本語本を紹介します。
 和田みちこ『漢字で意味が変わる ビミョ~な日本語』スリーエーネットワーク(05)――同音異義語や同訓異字の違いを解説した本です。類似本はほかにもありますが、この本はひと味違います。マンガや実例を多用することにより、実にわかりやすく親切に書かれているのです。
 たとえば――

 温かい・暖かい
 下りる・降りる
 変える・換える・替える・代える
 掛ける・架ける・懸ける
ビミョ~な日本語.jpg 固い・堅い・硬い
 越える・超える
 探す・捜す
 作成・作製
 勧める・薦める
 制作・製作
 耐える・堪える
 戦う・闘う
 溶ける・融ける
 上る・昇る・登る
 一人・独り
 交じる・混じる
 野生・野性
 柔らかい・軟らかい

 こういった漢字の使い分け、迷ってしまうことはありませんか? 恥ずかしながら、私はしょっちゅう迷います。そういうとき、だいたいは自分の感覚を信じて、適切と思う漢字を使うんですが、この本にはきっちりとした意味と使い分けが示されていて――
 おお~~、なるほど! そうだったのか!
 ほとんどは正しく使い分けていましたが、間違っていたものもないわけではなく、冷や汗が出ました。
 上の例を見て、即座に違いのわかる方には必要ないでしょう。そうでない方、ぜひとも座右に。――「一読を」ではなく「座右に」です。
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悪魔と天使のことわざ辞典

 昨年4月5日の記事「マンガ家のショートショート集」の最後に――
> 以下、マニア向けに――
> 畑田国男『英雄色を好む』私家版(77)→『世界浮世絵草紙』講談社(77)
 と書きました。
 これはもう、広い心で読めばショートショート集と言えなくもないかも、くらいの感覚で紹介した本です。
 1年半近く経って(苦笑)、はたと気づきました。――これを採り上げるなら、こちらも……。
 畑田国男『悪魔のことわざ辞典』集英社(82)と『天使のことわざ辞典』集英社(83)――ことわざ辞典を模した戯文(ジョーク)&戯画(カーツーン)集です。
 言うまでもなく、本職であるカーツーン(ヒトコママンガ)は傑作揃い。ジョークもよくできたものが多くて面白いですし、きっちりと小説の体裁を成しているものはショートショートと言ってもいいと思います。どうでもいいけど、福地泡介ばりのダジャレ・オチも多かったりして(笑)。
 いずれも文庫化されてなくて、もったいない……。
悪魔のことわざ辞典.jpg 天使のことわざ辞典.jpg
 以下、余談です。
 書棚を眺めていたら、似たようなタイトルの本がありました。――別役実『ことわざ悪魔の辞典』王国社(97)/ちくま文庫(00)です。
 こちらはジョーク集ではなく、ビアス『悪魔の辞典』のパロディというかパステーシュというかオマージュというか、最近ではトリビュートなんて言葉が流行っていますが、ま、そんな感じの、『悪魔の辞典』のことわざバージョンです。
 姉妹編『当世悪魔の辞典』王国社(91)/朝日文芸文庫(95)もあり、こちらは完全に別役実版『悪魔の辞典』です。(安野光雅・なだいなだ・日高敏隆・別役実・横田順彌の競作集『噴版 悪魔の辭典』平凡社(86)/平凡社ライブラリー(98)から別役実パートのみを独立、大幅加筆したものです)
 とにかく私、この手の本が大好きなんですよ。書棚を眺めると、似たような本がたくさん並んでおります。
ことわざ悪魔の辞典.jpg 当世悪魔の辞典.jpg 噴版悪魔の辞典.jpg

【追記】2011年1月2日
 本の整理をしていて、畑田国男『悪魔のことわざ』徳間文庫(89)という本に気づきました。はて? と手に取ると、あらら、なんと『悪魔のことわざ辞典』集英社(82)の改題・文庫化なのでした。
 文庫化されていたこと、すっかり忘れていました。情けない……。
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藤井青銅の変な本

 最近、私のなかでは藤井青銅がプチ・ブームになっています。〈星新一ショートショート・コンテスト〉第1回の入選者にして、小説家、放送作家。(著作リストはこちら
文筆家ヒエラルキー.JPG 小説だけではなくて、変な本(笑)もたくさん出していまして、現在のプチ・ブームは変な本のほうです。

〔み~んながやってる〕宇宙の法則』徳間書店(91)
『宇宙の法則Ⅱ 3Dステレオコラム集』徳間書店(93)
 この2冊は藤井青銅版『パーキンソンの法則』です。文筆家ヒエラルキーなんてのも掲載されていて(Ⅱの211ページ)、う~~~ん、そうだったのか(笑)。

『TV・マスコミ「ことば」の真相』メディアファクトリー(01)
 実際に手に取るまではコラム集と思っていましたが、あらら、辞典だったのですね。現代日本のマスコミを対象にした『悪魔の辞典』と言ったところでしょうか。テレビのドラマやバラエティ番組、あるいはマスコミ報道に対して、私もしょっちゅう突っ込みを入れますが、この本は見事にそれを代弁してくれています。

『団地になった男 図らずも歴史に名を残した だいたい60人の男とほぼ5人の女の物語』朝日文庫(02)
 この本、『団地になった男』というタイトルだけを見ると、ショートショート集っぽいですが、そうではなくて雑学本です。人名に由来する言葉をずらららら~~~~と。「サンドイッチはサンドイッチ伯爵に由来する」なんてのは有名ですね。そんな言葉を集め、由来を詳細に解説しています。 
宇宙の法則.jpg 宇宙の法則Ⅱ.jpg TV・マスコミ「ことば」の真相.jpg 団地になった男.jpg
 オリジナリティという点では物足りませんが、いずれの本も藤井青銅ならではの視点で書かれていて、非常に楽しいです。
 このプチ・ブーム、もうしばらく続くかな。
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太陽選書

 古本屋で『ニューヨーカー短篇集』太陽社・太陽選書(68)を見かけ、手に取りました。
 この本のことは昨年3月12日の記事「アメリカ雑誌のアンソロジー」でも触れましたし、もちろん所有しています。しかし、目の前にある本と持っている本は、明らかに体裁が違うんですね。
 幸いなことに値段は安く、とりあえず買って、帰宅しました。さっそく手持ちと比較。内容は全く同じですが、下の書影をご覧になればわかるように、体裁が全く違います。
 う~~~~む、これは……。
 太陽選書はメジャーではないと思いますが、海外小説のファンにとっては、けっこう気になる叢書です。
 アンソロジーに限っても――

◎『ニューヨーカー短篇集』
 1968年9月10日初版発行。書影左が新たに買った本で、1970年10月10日発行の再版。ハードカバーです。書影右が以前から持っている本で、1978年4月10日発行の三版。ちょっとサイズが小さいソフトカバーです。初版の体裁も違っていたりして?
◎『O・ヘンリー賞作品集』
 1972年7月20日初版発行。書影は1978年8月1日発行の再版。ハードカバーです。初版の体裁は?
◎『現代イギリス女流短篇集』
 1975年10月10日発行。定価1200円。国会図書館のデータベースを見ますと、発行は1974年で定価は980円です。手持ちの本には版数が記載されていませんが、重版ということになりますね。所有本(再版?)はソフトカバーです。初版はどうなんでしょ。
ニューヨーカー短篇集(再版).jpg ニューヨーカー短篇集(三版).jpg O・ヘンリー賞作品集.jpg 現代イギリス女流短篇集.jpg
◎『T・ウイリアムズ フィリップ・ロス F・オコーナー J・C・オーツ短篇集』
 1976年7月20日発行。版数は記されていませんが、おそらく初版と思われます。ハードカバー。
 いやしかし、このタイトルは……。ワープロではどう表記すればいいのでしょう。
短篇集.jpg タイトル.JPG
 右の写真は表紙のタイトル部分を拡大したものです。背のタイトルも、これが縦書きになっているだけ。奥付では著者名が並んでいるだけです。
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福地泡介のダジャレ・エッセイ

 福地泡介のエッセイが好きです。福地泡介はマージャンやパソコンに関するエッセイ、あるいは交遊録もたくさん書いていますが、そういうのではなく、何気ない日常話とかウンチク話(おもにシモにまつわる)と思わせておいて、最後にすとんとダジャレで落としてくれるエッセイです。
 たとえば――
 犬にシャワーをかけると喜ぶか恐がるか、編集者と意見が対立する。何を書いているんだろうと思っていると、最後の一行は「水かけ論になった」。
 この手のエッセイを最初に読んだときには呆然としましたよ、ほんと。そんなエッセイを福地泡介は大量に書いているんですね。
 エッセイって自分の体験を書くもので、当然のことながらノンフィクションであるべきなのですが、福地泡介の場合、どこまでノンフィクションなんでしょう。書き出しは体験(ノンフィクション)なのかもしれませんけれど、途中からは最後のダジャレを生かすためのフィクションが加わっているような気がします。あるいは、最初から最後までフィクションかも。
 ここまできてしまうと、もはやエッセイを模したフィクション=小説ですね。こういった作品は総じて短く、つまりはショートショートと言ってもいいと思います。
 福地泡介は一筋縄ではいかなくて、オチのないフツーのエッセイもあったり、ダジャレ・オチのエッセイもあったり……。最後の一行を読むまで、その判別をするのは難しいです。この匙加減は、まさに名人芸と言えるでしょう。
 福地泡介は短い小説(=ショートショート)も書いていますが、ダジャレ・オチのエッセイとどこが違うのか、判然としません(笑)。この虚々実々のボーダレスな作品世界が福地泡介の魅力ですね。
 今日は、そういうエッセイだか小説だか判別不能の作品が楽しめる本を紹介します。
 ほんと、大好きです。

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『ビールうんちく読本』

 暑い日が続きますねえ。9月にはいっても連日の猛暑日で、数日前には38度なんて馬鹿げた数字が発表されています。>名古屋
 この暑さのせいで、今夏のビール消費量は半端ではありません。例年の倍近く飲んでいるような気がします。もっとも、裏を返せば、それだけビールがおいしく感じられるわけで、これは唯一、猛暑の恩恵でありますね。
 しかし、ふと思えば……。私はビールのことを何も知りません。――冷たくて、おいしくて、適度に酔っ払える炭酸飲料。それくらいの認識しかないんですね。
 こんな大好きな飲み物のことを知らないなんて、ビールに申しわけないのではないでしょうか。
 というわけで、濱口和夫『ビールうんちく読本 ニガ味にこだわる男たちへの48話』PHP研究所(88)/PHP文庫(92)を手に取りました。サッポロビールの社員である著者がビールのウンチクを語った本です。
 まさに、目からウロコの連続! とっても楽しいウンチク本ですが、それはさておき――
 ただそれだけの本でしたら、記事に書こうとは思いません。実はこの著者の濱口和夫はSF作家なんですね。ペンネームは久野四郎と書けば、「おっ」と思われる方も多いでしょう。そう、このブログでも採り上げたことのある、あの久野四郎なんです。
 公式に発表されているわけではありませんが、久野四郎は初期のころ浜口和夫名義で作品を発表していたこともありますし、両者の経歴を見れば、ほぼ間違いなく同一人物と推測されます。
ビールうんちく読本.jpg ビールうんちく読本(文庫).jpg 夢判断.jpg 砂上の影.jpg
 SF作家・久野四郎としての著作は『夢判断』ハヤカワSFシリーズ(68)と、その改題文庫化『砂上の影』ハヤカワ文庫JA(75)だけですが、いろいろなアンソロジーでちょくちょく目にしているような記憶があります。
 ちょっと気になり、うちの蔵書とネット検索で久野四郎作品を収録しているアンソロジーを調査してみました。

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柳谷郁子の掌編小説集

 古本屋を回っていて、著者サイン本や著者謹呈の紙片が挟まった本を見かけることは珍しくありません。何となく手に取って、サイン本だったりすると、おお! てなものです。
 先日、柳谷郁子の掌編小説集『花ぎらい』発行:ほおずき書籍/発売:星雲社(02)を買いました。柳谷郁子の短い短編はショートショートではなく、明らかに掌編ですけれど、もちろん私の調査対象です。
 この本には謹呈の紙片が挟まっていました。特別仕様で、著者手書きの文面(+落款)を印刷したもの。
 ん? 確か……。
 思いついたことがあり、私は書庫に向かいました。目指すは柳谷郁子の掌編小説集『赤いショール』発行:ほおずき書籍/発売:星雲社(95)です。
 おお、やっぱり。
 著者サイン本なのですね、これが。しかも売上カード付きでして、つまり、これもおそらく著者がどなたかに贈呈した本なのでしょう。
 私が所有している柳谷郁子の掌編小説集はこの2冊だけなのですが、どちらも贈呈本とは……。いろいろ考えると、複雑な心境になります。
花ぎらい.jpg 謹呈.jpg 赤いショール.jpg サイン.jpg 売上カード.JPG

 柳谷郁子には『柳谷郁子ミニ短篇集』という著作があるらしいのですが、現物未確認、かつ出版社も刊行年も不明です。国会図書館のデータベースにも見当たらず、はたして……。
 何かご存じの方がおられましたら、情報提供をお願いします。
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『三つ目がとおる』

 昨日のことでした。
 手塚治虫『三つ目がとおる』の「怪鳥モア」編を無性に読みたく――いや正確に言うと、手元に置いておきたくなりまして……。
 思い返してみると、『三つ目がとおる』って、連載時には読んでいましたが、1冊にまとまった形では読んだことがないような気がします。「怪鳥モア」編も全編を通して読んだことはないでしょう。もちろん、本は1冊も持っていません。
三つ目がとおる.jpg こういうときは、迷わずブックオフです(笑)。今日も相変わらずの炎天ですが、近所のブックオフへと足を運びました。特定の版を探すのは難しいでしょうけれど、何度も再刊されているメジャー作品ですから、どんな版でも構わなければ簡単に見つけられると確信しているのが、われながら能天気なところ。で、ちゃんと応えてくれるのが、ブックオフのいいところです(笑)。
 店にはいって数分で、講談社・KPC――いわゆるコンビニ・コミックの『三つ目がとおる』(08)を発見。「怪鳥モア」編+短編10本を収録という超お得な1冊です。
「怪鳥モア」編は400ページ近くある長編なんですよ。これだけでも2分冊になりそうなのに、ほかに10本もの短編が収録された1冊なんて……。ラッキーでしたねえ。
 帰宅して、さっそく読み始め、331ページで「おお、これだ、これだ」と笑みを浮かべました。――踊っているモアの足元にいるのは……ホシヅル!
 手元に置いておきたいと思ったのは、このヒトコマゆえなのでした(嬉)。
 それだけでも満足なのに加えて、マンガ自体も面白くて、超満足。『三つ目がとおる』を通読したくなりました。

【追記】10月10日
 関連記事を書きました。→こちら
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サマセット・モームとコーリイ・フォード

 昨日の記事アンソロジー 人間の情景」で――

 特に海外作家のセレクトには目を瞠るものがあります。サキ、アンブローズ・ビアス、アントン・チェーホフ、モーパッサン、サマセット・モーム、ジャック・フィニイ、シャルル=ルイ・フィリップ、リング・ラードナー、コーリイ・フォード、ロアルド・ダール、カレル・チャペック、ヘンリイ・スレッサーなどなど。このブログや『ショートショートの世界』で採り上げた作家が大集合。

 と書きまして……。
 ほとんどの作家はこのブログでも何らかの形で言及したことがあるんですが、サマセット・モームとコーリイ・フォードに関しては1度も触れたことがありません。
 今日はこの2人の著作をまとめておくことにしました。

続きを読む。


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アンソロジー 人間の情景

 先日、〈ちくま文学の森〉の文庫化のことを書きました。
〈ちくま文学の森〉は1988年~89年、〈新・ちくま文学の森〉は1994年~96年の刊行ですが、ちょうどその間に、似たようなコンセプトのアンソロジーが刊行されています。
 文藝春秋編〈アンソロジー 人間の情景(全8巻)〉文春文庫(92~93)です。帯の惹句には“古今東西の傑作短篇を集めた豪華アンソロジー”とあり、まさに偽りなしの内容です。
 ショートショートの見地から注目すべき作家も多数収録。そのメンバーを眺めているだけでも、うっとりしてしまいます。
 特に海外作家のセレクトには目を瞠るものがあります。サキ、アンブローズ・ビアス、アントン・チェーホフ、モーパッサン、サマセット・モーム、ジャック・フィニイ、シャルル=ルイ・フィリップ、リング・ラードナー、コーリイ・フォード、ロアルド・ダール、カレル・チャペック、ヘンリイ・スレッサーなどなど。このブログや『ショートショートの世界』で採り上げた作家が大集合。ね、惚れぼれするでしょ。ショートショートではありませんが、ロバート・F・ヤング「たんぽぽ娘」も。
 収録されている作品の多くは短めの短編やショートショートです。ショートショートのアンソロジーとは言えませんけれど、少なくとも、ショートショートに重きを置いたアンソロジーとは言えるでしょう。
 万人にお勧めできる名アンソロジーと思います。
1運命の法則.jpg 2女の領分.jpg 3愛の迷宮.jpg 4こんな人たち.jpg
5人生の達人.jpg 6奇妙なはなし.jpg 7別れのとき.jpg 8動物との日々.jpg
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映画『黒い蠍』

 映画『黒い蠍』を観ました。製作は1957年。おお、私が生まれた年ではありませんか。
“レイ・ハリーハウゼンの師匠ウィルス・H・オブライエンが特撮を担当したSFモンスター映画、幻の傑作!”だそうで……。ハリーハウゼンの特撮映画、好きですねえ。『アルゴ探検隊の大冒険』とか『シンドバッド』のシリーズとか、何度も観ました。いつだったか、NHK-BSでハリーハウゼンの映画を一挙に放映したことがあって、すべて録画したくらいです。
黒い蠍.jpg しかし、オブライエンの映画というと……。ちゃんと記憶に残っているのは『キングコング』だけです。
 ということで、『黒い蠍』です。巨大サソリが暴れ回る映画で、SFモンスター映画というより怪獣映画ですね。ストーリーは今ひとつでしたが、サソリには楽しませてもらいました。
 あ、そうそう。ジャケットの絵ですが……。ヘタクソな絵だなあと思っていたんですが、映画に出てくるサソリ、正面から見ると、まさにジャケットそのまんま。何とも言えずヒョーキンです。顔の正面アップも多く、そのたびに笑みがこぼれてしまいました。正面の顔以外はカッコいいんですけどね。>サソリ
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ちくま文学の森

 かの名アンソロジー〈ちくま文学の森(全15巻+別巻1)〉筑摩書房(88~89)が文庫化されます。書店でチラシをもらってきました。
チラシ1.jpg
チラシ2.jpg
ちくま文学の森1.jpg 全16冊が文庫化されるわけではなく、10冊だけなんですね。その点は残念ですが、この名アンソロジーが文庫で気軽に手に取れるようになることは大歓迎です。
 9月上旬に刊行開始。第1回は2冊で、以降は毎月1冊ずつ刊行されるのこと。
 もうすぐ発売ですね。読んだことのない方は、ぜひ書店で手に取ってみてください。ジャンルに捉われず、まさに“何でもあり”の内容で、もちろんショートショートもてんこ盛りです。

新・ちくま文学の森1.jpg〈ちくま文学の森〉シリーズではないんですが、池内紀『文学の森を歩く』筑摩書房(89)という本もあります。私としては、この本も含めて〈ちくま文学の森〉は全17巻と考えています。
 また、〈ちくま文学の森〉のあと、姉妹シリーズ〈新・ちくま文学の森(全16巻)〉筑摩書房(94~96)も刊行されました。これも合わせると、全33冊ということになりますね。
 え~。この記事を書くために書棚をチェックしてみたところ、うちにあるのは29冊でした。欠けている4冊、買わなきゃ、であります。
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